干物とは?
一夜干しと天日干しの違いとは?
魚に塩を振る。もしくは 魚を塩水に漬け、干したものを干物(ひもの)と呼びます。
広く考えると、干物=干した物 なので、煮干し・干しなまこ・ちりめんじゃこも干物ですが、一般的に「かんぶつ」と呼びます。
魚を干して、生乾きにした物を「ひもの」と呼ぶのが一般的です。
さて、この干物(ひもの)
大きく分けて2つの干し方があります。
1.一夜干し
2.天日干し
読んで字のごとく、昼に干すか、夜に干すか?の違いです。
それぞれに良さがあります。
一夜干しの良さは、日光に当てず、温度が低い状態で干すので、干し加減にばらつきがありません。
脂が酸化しないので、優しい味に仕上がります。
一夜干しを作って一番美味しい時期は冬です。
冬の氷温(0℃でも食品が凍らない温度帯)の冷たい風に吹かれる事により、旨味が増す事が分かっています。
参照:「公益社団法人氷温協会」ホームページ
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このように、一夜干しの美味しさは干す時の気温・湿度にも影響されます。
当たり前ですが、365日毎日そんな干物に適した温度・湿度ではありませんし、
雨が降ったらおしまいです。
当店で扱っている一夜干しは干物を干す時に適した温度・湿度・風量が作れる、
冷風乾燥器で干しています。
天日干し
太陽光に当てる事により太陽光の中の紫外線が、干物をおいしくしていると言われています。
※メカニズムは未だに解明されてないそうです。
干し加減にコントラストがでて、表はしっかりした食感で中はふんわり。
また、一夜干しに比べダイナミックな味と言えます。
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天日干しで有名な静岡の干物屋さんの話ですと、実際 魚を天日に干すのは30分~
1時間程度。その後は日陰に干すそうです。
一般的に、天日干しの方が美味しいと言われてますが、どちらが美味しいと言う事はありません。
観光地で売っている、天日干しほど怪しい物はありませんから、、、、
干物(ひもの)とは?
干物とは、魚などの魚介類に塩をして、乾燥させ、長期保管できるようにした昔から伝わる加工食品です。 干物=干した物 なので、ちりめん・煮干し等も干物ですが、その場合は乾物(かんぶつ)と呼ばれる事が多いです。 |
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現在では、干物=魚の一夜干しと使われる事が多いのですが、広義で考えると「干物」は干して水分含有量を減らした全ての「乾製品」(dried product) です。
広義の「干物」(dried product)の種類には以下のようなモノがあります。
名称 | 方法 | 具体例 |
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塩干し (塩干品) |
魚介類を生のままあるいは一定の調理を行った状態で塩漬けして乾燥させたもの※当店の商品のほとんどがコレにあたります。 | のどぐろの一夜干し等 |
調味干し | 魚介類を調味液に漬けた上で乾燥させたもの | サバのみりん干し等 |
素干し (素干品) |
魚介類を生のままあるいは一定の調理を行った状態で水洗いし乾燥させたもの | 上乾ウルメ、スルメ等 |
煮干し (煮干品) |
魚介類を煮熟した上で乾燥させたもの | 煮干し等 |
焼干し (焼干品) |
魚介類を焼いた上で乾燥させたもの | イワシの焼き干し等 |
燻製品 (燻乾品) |
魚介類を塩漬け又は調味液に漬けた上で燻して乾燥させたもの | いかくん等 |
節類 | 魚介類を堅くなるまで培乾を繰り返して乾燥させたもの | 鰹節等 |
灰干し | 紙などの中で上下に火山灰を敷き詰め、身の水分を吸収させたもの。 | サンマの灰干し等 |
文化干し | 透水性のあるセロハンなどに挟み吸湿剤の中で乾燥させたもの | さばの文化干し等 |
一夜干しと干物の違いは?
一夜干しと干物の違いは?
私の結論:バンドエイドと絆創膏と同じです。
細かく言うと、
一夜干しとは 読んで字のごとく。魚を一晩乾燥させた物です。
しかし、「アジの干物買ってきて!」と言われ、アジ節・アジの煮干しを買ってこないですよね?
一夜干しのアジを買ってきます。
ただ、天日干しの干物もあるので、干物=一夜干しにはなりません。
「バンドエイド」は商品名ですが、「絆創膏」と同じ意味を持つと同じ感覚です。
天日干しと一夜干しどう違うの?
(当たり前ですが、、、)昼に干すか?夜に干すか?の違いです。
天日干しは日当たり・風通しの良い場所に約1時間干し、日陰で風通しの良いところで更に数時間干した物です。
天日干しと一夜干しのどちらが美味しいのか?
お客様に『天日干しと一夜干しのどちらが美味しいか?』と聞かれると、「両方うまい!」と元気よくお答えすることにしています。
この質問は、『タイ(thai)のカレーと日本のカレーどちらが美味しいか?』と似ています。
天日干しの製造過程:
1.魚市場での仕入れ(5時~7時)
2.魚をさばく(7時~9時)
3.塩入れ(9時から12時)
4.天日干し(12時から13時)
5.陰干し(13時から15時)
一夜干しとは、本来、夜の冷たい風で一晩干した物を言います。※現在では冷風乾燥機で乾燥。
一夜干しの製造過程:
1.魚市場での仕入れ(5時~7時)
2.魚をさばく(7時~9時)
3.塩入れ(9時から12時)
4.熟成(12時から17時)
5.冷風にて乾燥(17時から朝まで)
※両方ともだいたいの過程です。細かく言うと、季節・魚種・職人さんによって全く違うので、正確にまとめることは不可能です。
これを見た干物職人さんは「でたらめ言うな!」と怒るかもしれませんが、文章でまとめられる位の仕事では無いことは私が重々承知です。
だいたいのイメージと言うことでご勘弁下さい。
天日干しには熟成の過程がありません。
一夜干しには天日干しの過程がありません。
天日干し職人に言わせれば、 天日で干すからうま味が増す。なぜ、夜に干すんだ?となりますし、
一夜干し職人に言わせれば、干す前に熟成させずに干してどうするんだ?となるでしょう。
一夜干しで有名な山陰で生まれ育った私が、天日干しで有名な静岡県のアジの干物を食べた時の私の感想は、
一夜干しに比べ、味が濃く、食感も強い。という感想でした。しかし言い換えると、味が濃い→味が粗々しい。食感が強い→堅い。と言えます。
※静岡県の干物には山陰の干物にないおいしさがあります。あくまで、一夜干しと比べての話です。どれも、とても美味しい天日干しの干物でした。
一方、一夜干しは味が優しく、食感もふんわりしています。これも言い換えると、味が優しい→物足りないふんわりとした食感→噛みごたえが無い。となります。
そして、結局私は、一夜干しに軍配を上げます。なぜならば、小さい頃から食べ慣れているからです。
ここからは私の推測ですが、おいしさには不変的な要素と可変的な要素があると思います。
可変的な要素として、
生まれ育った環境: 日本人なら日本のカレー タイ人ならタイのカレーと言うでしょう。
2.気候と食べる場所:タイのように蒸し暑い気候で食べるなら日本人の私でもタイのすっぱ辛いさらっとしたカレー+タイ米が美味しいですし、日本の様に寒くて乾燥した国で食べるなら少し甘くトロッとしたカレー+甘くもっちりとしたご飯が美味しい。と感じるはずです。
長くなりましたが結論。 『天日干しと一夜干し。どっちもうまい。』 です。
ついでに書いておきます。
天日干し・天日干し とこだわられる方がいらっしゃいますが、そこに落とし穴があります。
観光地に行くと当店手作り「天日干し干物」とかかれた干物を見かけます。
私は、買う前にその店の建物の裏に行くことにします。
クーラーの室外機の近くに、網に入れた魚を干している場合があります。
クーラーの室外機の風で乾燥させているのです。確かに外で干しているので、天日干しですが、、、、、
まあ、みなまで言いません。そんな落とし穴もあります。
干物(一夜干し)の魅力
一夜干しの魅力とは、、、
魚を嫌いになる理由の多く『生臭さ感』を軽減する。
タンパク質の分解酵素の働きにより、うまみ成分アミノ酸が大幅に増加する。
水分の減少=うまみ成分が濃縮、身が引き締まり歯ごたえの増加。
『干す』際に表面に出来る膜と魚肉表面へ付着した塩分により筋繊維が膨れ、筋繊維同士の隙間を減らし、魚肉中の水分が抜けにくくなる
山陰とは?
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歴史的に言うと、山陰とは、『京都府北部』・『兵庫県北部』・『鳥取県』・『島根県』です。 7世紀頃に作られた律令制の五畿七道(ごきしちどう)に由来しております。 参照サイト:一路一会様 |
山陰の干物屋の当店としては、山陰とは、おいしくて、新鮮な干物が手に入る『鳥取県』・『島根県』・『京都府北部』・『兵庫県北部』・『山口県北部』と考えております。 当たり前ですが、海には県境がありません。 ・島根県の漁船が山口県沖日本海で漁をして、島根県浜田港に水揚げされ、島根県の干物屋が使う。 季節によっておいしい魚が捕れる、おいしい海域の魚を使う。このような事は、我々山陰の水産関係者としては、当たり前の事なので、おいしい干物がとれる、日本海に面した地域=山陰地方と考えております。 |
一般的には島根県と鳥取県の2県をあわせて、『山陰地方』と呼ばれています。 住んでいる我々としても、民放3局(山陰放送・日本海テレビ・山陰中央テレビ)は鳥取県と島根県は同じ内容が放映されており、新聞(日本海新聞・山陰中央新報)もほぼ同じ島根県と鳥取県のニュースを扱っておりますので、山陰地方=鳥取県+島根県と言う認識でおります。 余談ですが、 ちなみに、左が島根県で右が鳥取県です。
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鳥取県の名所
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島根県の名所
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